前回、少し触れた「西郊(せいこう)
ロッヂング」について、今回は写真
画像満載でお届けします。
もっとも、私が泊まったのは、「西郊
ロッヂング」の建物の隣にある「旅館
西郊」ですが、旅館のおかみさんに
聞いたところ「旅館西郊の方が先に
建てられた」ということでした。
ちなみに、「西郊ロッヂング」の建物は、
現在は「賃貸」(!)だそうです。
今も使われているんですなあ。
それでは、まず、その「西郊ロッヂング」
の外観と、その左隣の「旅館西郊」の
入口の写真を載せておきましょう。
(西郊ロッヂングの建物です。↓)

(ここから左へ5秒歩くと、
「旅館西郊」の入口となります。↓)

さて、部屋に通されました。
二階の部屋です。
部屋の中から見る扉は、障子の
ようになっています。↓
もちろん、通常の障子では防犯上、
問題がありますので、実際は、
プラスチックのような硬い素材の
ものでしたが。
向かって、左に見えるのは小型の
冷蔵庫です。
さて、部屋の中を見てみましょう。
もうねえ、突っ込みどころ満載
ですよ!
順に見ていきます。
まず、真っ先に私の目に飛び込んで
きたのが、入って右側の壁の下の方
にある「小窓」です。↓
?
近付いてみました。↓
「これ、何のために付いている
のだろう?」と私はしばし、悩み
ましたね。
「いや、以前は、何らかの用途が
あって、使われていたのだろう」と
思いましたが・・・。
分からない。
翌朝、私は旅館のおかみさんに
聞いてみましたが・・・。
おかみさんも分からず、ご主人に
聞くことに。
すると、ご主人の回答は、「はっきり
したことは分からない」と断った上で、
「飾りだったのかもしれないし、通気性
を良くするために付けられたのかも
しれない。掃除の時に便利だったから
かもしれない」とのことでした。
聞けば、戦前は、この部屋、洋風の
部屋だったそうです。
ところが、戦後、和風に変えたそうで、
その際に、建築家の人がなんらかの意図
を持って、作ったのであろうと・・・。
・・・実際には、どういう意図だったのか、
気になるところではありますが・・・。
気になりだしたらキリがないので、
先に行きますね。
テーブルに目をやると、一昔前の
ものと思われる電気スタンドが
ありました。↓
これは、部屋の明かりがやや暗め
だったからかと思われます。
実際に、夜になると、そんなに
明るくはありませんでしたから。
17時頃でしたので、私は相撲を
見ようとテレビを探しましたが、
壁掛けでした。
しかし、それよりも驚いたのは
その隣にあった鏡台です。↓
なぜ、鏡台があるのか?
これも、おそらくですが、部屋の中に
洗面台がないからではないかと・・・。
そうです、風呂・トイレも部屋の外に
あるんですよ。
ですから、そういうのが気になる人
には、あまり向いていないかもしれ
ませんね、この旅館は。
もっとも、この日は泊まっている客も
私と、もう一人くらいしかいません
でしたから、トイレに行く途中、人と
顔を合わせることもありませんでした。
まあ、なんでもかんでも、ビジネス
ホテルのようなものを望んでいたら、
こういう趣きのある旅館には泊まれ
ないということです。
そこは、我慢しましょうよ。
鏡台の奥にはファンヒーターが
置いてありましたが、その謎は、
次の写真を確認すると、よく
分かります。↓
右上にエアコンが見えますが、
これ、相当古いタイプです。
近付いてみましょう。↓
冷房しか効かないタイプですよ。
だから、ファンヒーターが、寒い時
のために置いてあるわけです。
ちなみに、このエアコンの下の壁
には掛け軸が飾ってあり、置物も
置いてあるあたり、風流です。
なお、このエアコンはリモコンで
操作するタイプではありません。
こちらで操作します。↓
久々に見ましたよ、このタイプ。
エアコンの下には、さすがに旅館
です、布団が敷いてありました。↓
思えば、このような旅館に泊まる
のは、何年ぶりだろうと感慨深く
なりましたね。
布団の傍の窓から景色を眺めます。↓
この写真では、ちょっと見づらい
ですが、中庭があり、池があります。
また、屋根が「コ」の字になって
いますが、この旅館自体がこのような
造りになっているんですなあ。
現在では、なかなか見られませんよ。
さて、そろそろ座ろうかと思ったら、
今度は、座椅子の後ろに、たぬきの
置物を見つけました。↓
ちなみに、奥の方に見える電話機も
昔の黄緑のダイヤル式とは懐かしい。
座椅子に座ろうとして、「まだ、
クローゼットを開けていなかった」
と気付き、開けてみました。↓
ようやく座椅子に座って、窓の方を
見てみます。↓
日が長くなってきたとはいえ、
窓も大きいからか、17時頃と
しては、非常に明るい。
設計がいいんでしょうなあ。
さて、だいぶ長くなりましたので、
後は私がちょっと気になったものを
少し・・・。
まず、部屋の鍵ですが・・・このような
タイプでした。↓
ちなみに部屋は「萩(ハギ)」でした。
「荻(オギ)」ではありません。
この鍵、どうやって使うのか、おかみ
さんから説明がありましたが、結構
難しかった。
ここでは、入口の鍵がどうなって
いるのかだけ、ちょっとお伝えして
おきましょう。
まず、鍵を差し込む前に、鍵穴の
近くに付いている、棒のような
鍵を穴に差し込みます。↓
そして、先程の鍵をこう差し込んで、
ねじるわけです。↓
あと、部屋の壁と天井も私は気に
なりました。↓
この壁の素材も、聞けばよかった
なあ・・・。
余談ですが、チェックアウトの時、
30分くらいご主人とおかみさんと
話し込んでしまいましてねえ・・・。
先の「小窓」や、建物の歴史についての
話をたくさん伺って私は大満足でした
が、後で気付くと、こうして「聞いて
おけばよかった」ということが出て
くるのは仕方がありませんね。
次回、伺う機会があれば、その時に
聞いてみたいと思います。
また、この部屋にはカーテンが付いて
いませんでしたが、その代わりに、
ブラインドのようなものが付いて
いました。↓
これも、趣きがあるといえばそう
ですが、朝になると結構日が差して
きましてね。
夜遅くまで起きていたのに、4時半
くらいには目が覚めてしまいました。
二度寝しましたが。
朝起きると、前日夕方よりは庭の
様子がはっきりと見えました。↓
朝になって、廊下に出ると、廊下
の下の方にも「小窓」があることに
気付きました。↓
やっぱり、「掃除目的」だったような
気もしますが・・・。
また、床が石でできているのも、朝に
なって、良く分かりました。↓
帰り際、部屋の入口の全景を撮影
しました。↓
すると、その右下のあたりに、
例の「小窓」がテーブル等で
塞がれていることに気付きました。↓
最後、既に触れましたが、旅館の
ご主人とおかみさんとお話をさせて
頂きましたが、ロビーのところに
「登録有形文化財」の盾が置いて
ありましたので、一枚撮影をさせて
頂きました。↓
以上です!
相当、長くなってしまいましたが、
それくらい「突っ込みどころ満載」
だったということです。
しかし、こういう趣きのある、古風な
旅館がまだ東京に残っていたという
のは、奇跡に近い。
「荻窪にお越しの際には、ぜひ!」と
オススメしたいですね。
さて、明日以降ですが、「荻窪の
見所」について、こちらも写真付きで
掲載できればと思っています。
「荻窪」が満載なんですよ、荻窪には。
当たり前かもしれませんが。
・・・当ブログ記事、私がこれまで書いて
きた記事の中で、おそらく最も時間を
費やしたかもしれません。
・・・ということは、読む側のあなたに
とっても、お時間がかかったことは
間違いないわけで・・・。
長い時間、お付き合い頂き、ありがとう
ございました!
*「西郊ロッヂング」、こちらにも記載
されていますよ!
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